アンジュー・ソーミュールは、ナントからみてロワール川の上流、東にあるアンジュー(アンジュとも)とソーミュールの町周辺のAOCを指す。さらに上流にはトゥーレーヌがある。アンジューは、かつてイングランドまでをも支配したアンジュー帝国のあった地だ。

有名なAOCとしては、サヴェニエールにある単独畑AOCのクレー・ド・セランとロシュ・オー・モワンヌがあげられる。ビオディナミ農法の教祖、ニコラ・ジョリイが所有することで近年世界的な知名度を得た。

そのほかには、コトー・デュ・レイヨン・ヴィラージュから独立した村名AOC、カール・ド・ショームとボヌゾーも「ロワールの女王」と称えられ、高品質な甘口の白ワインを生産している。

アンジューはロゼが有名で、それ以外にも細分化された多くのAOCがある。白ワインはロワールの代表的品種シュナン・ブランを原料とした甘口のものが多い。一方、ソーミュールでは発泡ワインが有名。この地の発泡ワインはソーミュール・ムスーと呼ばれる。

【アンジュー・ソーミュール地区の主な生産地】

<アンジュー>
ロゼが非常に有名な産地。特にロゼ・ダンジュー、カベルネ・ダンジューの2つが有名だ。そのほか、赤はカベルネ・フランやカベルネ・ソーヴィニヨン、白はロワールの代表的な品種シュナン・ブラン主体のものがある。アンジュー・ムスーという発泡ワインのAOCもある。

<コトー・デュ・レイヨン>
レイヨン川流域に展開するAOC。北岸の日当たりのよい斜面にぶどう畑がつくられている。この地域ではシュナン・ブラン種100%による、長期熟成物の極甘口白ワインがつくられる。

<コトー・デュ・レイヨン・ヴィラージュ>
ボーリュー・シュル・レイヨン、ファイエ・ダンジュなどの6ヶ村によるコトー・デュ・レイヨンの上級AOC。近年はヴィラージュの代わりにそれぞれ村名を名乗っている。原料は全てシュナン・ブラン種だが、アロマや味わいは村ごとによって異なる。

<カール・ド・ショーム>
コトー・デュ・レイヨン・ヴィラージュよりも、さらに格上のAOCとしてボヌゾーとともに独立。貴腐ぶどうによる甘口の白ワインは、もともと酸味が強いシュナン・ブラン種が原料。長期熟成により、梨やハチミツの豊かな香りに仕立て上げられる。

<ボヌゾー>
トゥアルセ村の北東に位置する。カール・ド・ショームと同じくコトー・デュ・レイヨン・ヴィラージュから独立。甘口の白は評価がたいへん高く、2村ともにロワールの女王として君臨する。

<コトー・ド・ローバンス>
ロワール支流・オーバンス川流域にあるAOC。ルネッサンス様式のサン・ヴァンサン教会でも有名。片岩の河川侵食土壌で育てられるシュナン・ブラン種は、貴腐又は遅摘みによる過熟で糖度を高められる。

<サヴェニエール>
ロワール川右岸の傾斜地に広がるAOC。サヴェニエール、ブーシュメーヌ、ラ・ポッソニエールの3つの村落からなる。シュナン・ブランによる辛口の白ワインがメイン。

<クレー・ド・セラン>
サヴェニエールにある小さな畑だが、ロシュ・オー・モワンヌとともに独立AOCを名乗ることを許されている。ニコラ・ジョリイがこの畑を単独所有していることで世界的にも有名。彼は現代ワインにおいて広く用いられる有機農法、ビオディナミの教祖的存在だ。

<ロシュ・オー・モワンヌ>
同じくサヴェニエールにある独立AOC。複雑で神秘的なクレー・ド・ラ・セランのワインに比べて明るく壮麗と例えられ、両者はフランスの極上ワインのひとつとされる。その大部分がドメーヌ・オー・モワンヌのラロッシュ家によって所有されるが、ニコラ・ジョリイの畑もある。クロ・ド・ラ・ベルジュリーは彼の手によるもの。

<ソーミュール>
発泡ワイン、ソーミュール・ムスーがメイン。シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で製造される。カベルネ・フラン種とカベルネ・ソーヴィニヨン種からつくられる赤もある。土壌は石灰質が豊富で、かつて築城のための採石場が設けられていたほど。

<ソーミュール・シャンピニー>
ソーミュールの町に近い8の村からなる。カベルネ・フラン種とカベルネ・ソーヴィニヨン種からなるフルボディの赤、シュナン・ブラン種を主原料とする辛口の白。どちらもソーミュールよりも高品質のワインがつくられている。

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